川端康成の「伊豆の踊子」の舞台、静岡県中伊豆の湯ケ島温泉は、今は寂れた風情が漂う。そこに私一押しの宿があり、2002年のオープン以来「年末年始はあせび野で」が我が家の定番になっている。しかし人気宿ゆえ年末年始の予約をとるのも楽ではない。いわゆる老舗宿では前年の客がチェックアウトの際に”来年も頼むよ”と部屋を押さえてしまう為、新規の客はいつまでたっても宿泊が実現しないという状況があるが、この宿は、そういう事は一切せず、すべての人にフェア。年末年始は◯月◯日◯時から予約受付と平等に扱う。「女将が三つ指付いて部屋に挨拶に来る」タイプの旅館が好みの方には合わないかもしれないが、私には、この宿の事務的にキッチリした所、人の心をつかむ技、情報の確実さの調和が実に気持ちがいい。スタッフ皆さんの仕事ぶりも素晴らしい。料理も毎回うれしい驚きがある。いつ行っても、充実した安定感がある本当に貴重な宿。大晦日と迎春は、普通日宿泊とは一線を画した充実ぶり、その様子をご堪能ください。

伊豆 天城湯ケ島 あせび野

2011年01月01日〜2011年01月02日