寒くなると思い出す蟹。寒くなってから「蟹を食べに行こう!」と思い立ち、それから良い宿を捜す事は、ほとんど不可能。どこも満室で入り込む余地がない。今回の「蟹旅」は、汗ダラダラの8月に予約を入れた。それでも、ほとんど満室で四苦八苦の予約取りとなった。幸いにして、人気宿の素敵な部屋に宿泊がかない、どんな所だろうかと楽しみに遥々出かけていった。なにせ、京都とは言え京丹後は日本海側。高速道路はあるものの、現在も建設途中で、日本海側まで完全に貫いてはいない。我々は東京羽田から大阪伊丹に飛び、そこからレンタカーで3時間以上、紅葉に覆われた山並みの合間を走り続け、着いた所は、荒涼とした日本海の荒波が目の前に砕け散る老舗旅館「炭平」。宿業は140年を迎えている5代目とのこと。19年前に街中から今の高台に場所を移し今にいたっている。館内は時代の求めに応じ、美しくリノベーションされ、非常に居心地がいい。中居さんは、洗練された都会風ではなく、気さくな漁師のオカミさんという感じで、温かいお母さん風。その点、旅館というより大きめの民宿という感じがしないでもない。

全16室の内、3部屋が特別室。今回は「海鈴」というモダンな設えの離れ部屋に宿泊。釘を使わない郷土建築の部屋だとか。荒磯の真ん前にあり、豪快な風の音・波の音を一身に受け止めるような部屋。海側に大型のジャグジー付きのお風呂がついており、これが最高に気持ちよく気に入った。

丹後半島は東京から遠い。冬は気象も厳しく、湿った雪がドッサリ降る。行くことができなくなる日もある。そんな中で、ここまで訪れようと計画するには一種の「賭け」のような気分にもなる。しかし、蟹は、この厳しい冬の短い期間にしか漁ができないのだから、人間の方が蟹の都合にあわせるしかないが、遥々と旅をしてきたのだと思うと、それもまた楽しい。灰色の荒い冬の日本海を見ると、蟹の為に遠くまでやってきたなぁと思う。そして日本は決して狭くはないのだとも思う。

また行き態度:★★★★(★5が満点)

インターネット:全室有線LAN可(無料)、PCは持参。

携帯電話:docomoアンテナ5、auアンテナ3

 
京都京丹後市 間人のお宿 炭平

2011年12月03日〜2011年12月04日