長野と岐阜の県境の南木曽(なぎそ)町は、山また山の緑連なる中にある。時間がゆっくりと流れ、聞こえるのは川の流れや鳥の声ばかり。ここ「滝見の家」は文字通り、滝が見える露天風呂の開放感が素晴らしい、一日一組のみが宿泊可能の宿。豪華な宿というわけではなく、かといって民宿でもなく、昔、叔母ちゃんの家に遊びにいった時のような、なんともいえない懐かしさ、温もりを感じる場所である。インターネットもテレビも無縁な、宿泊用の大きな木造家屋は和室が3部屋、食事の囲炉裏の部屋と十分過ぎるほど広く、トロリと肌にまとわりつく柔らかな水質の温泉は、日帰り入浴のお客が途切れたころから宿泊客だけのものとなる。宿の女将さんはじめスタッフの人たちは、近所のおばちゃんという感じで、気さくで構えるところが何も無い。庭にある池で川魚の釣りを楽しんだ後の夕食には、釣った魚も並ぶ。田舎ならではのエンターテイメントだ。地産地消の食材を自分で囲炉裏で炙って頂くのも、非日常の体験でおもしろい。適度に放っておかれる心地良さと、とろとろとした温泉で、身も心も本当にとろとろに溶け出してしまいそうな、そんな小宿です。

信州木曽路 滝見の家

2011年05月07日〜2011年05月08日