東伊豆 富戸 月のうさぎ

2012年10月20日〜2012年10月21日

明るい太陽が降り注ぐ東伊豆。古くからハイソな別荘地として開発されてきた。海は美しくダイビングの名所、山は緑深く四季折々の花と緑がすばらしい。ゴルフのトーナメントで有名な川奈ホテルの南側にある隠れ宿「月のうさぎ」はエンターテイメント性の高い、おとぎの国のような不思議な場所。毎年、暑さがおさまる秋にリピートしている。180度の碧い大海原が、溶けこむように空の青とつながる絶景は、ここにしかない価値がある。その絶景露天風呂が全室に付き、プライベートが確保されるという新しい旅館スタイルを始めた先駆者的な宿。このような新スタイルの宿は、今でこそ珍しくもなんともなくなったが、10年前のオープン当初「大浴場と宴会場があり、女将が三つ指ついて挨拶に来て中居さんが部屋まで食事を運ぶ」という古い旅館スタイルを一掃し、旅館は「夢の入口」「エンターテイメントの一部」とした、この宿の出現は、大きな衝撃で受け止められ、マスコミに多く登場し、アッという間に予約の電話さえ通じないほどになった。8室しかない宿側も、その状況に対処できずオープン後3年間はパニック状態で、宿自身が手探りの「自分探し」のような時期だったように記憶している。その時期は、評価も賛否両論で、痛烈なバッシングの声も多く聞かれたが、今では辛口の声も一巡し、ここを気に入った人だけがリピートして来るような落ち着きが出てくるようになった。以前は、宿の駐車場には、ベンツ、フェラーリ、BMWしか停まっておらず、全身をギラギラのブランドに固めたような若いカップルか訳ありが多く、ここでの宿泊はステータスの一部と思っているような訪問者が浮き足立った雰囲気を作っていたが、今は国産車、小型車も見受けられ、年配の人も泊まりに来ている。ようやく、本当の「のんびり」の雰囲気が出てきたような気がする。

2010年7月よりオーナーが変わり、さらに落ち着きが出てきた。ある意味、創業オーナーのぶっ飛んだやり方の方が、危うくも面白みはあったが、やはり万人に受け入れられる為には、「やりすぎ」よりも「落ち着き」の方が重要だろう。

ネット上で酷評を受け叩かれている間も、我が家はどうしたわけか、ここが気に入り、オープン以来ずっとリピートして、今回で9回目になろうかと思う。

前述したが、ここには、宿を、ただ単に「宿泊の場所」という感覚でとらえていないものがある。宿は「ドラマの一部」「演出の場所」という位置づけで、ただ宿泊しただけでも、俗世から切り離された異空間「月のうさぎテーマパーク」に迷い込んだようで、何となく楽しくワクワクする。

それ故、料理は「おとぎの国のお食事」感があり、部屋の掛け軸などは「クスっ」と笑ってしまうような代物だ。それを「安っぽい」と言う人もいる、そりゃ、書家が 流麗に描いた掛け軸ではないが、目的が違うと思う。月のうさぎの掛け軸は、おとぎの国のドアを開ける魔法の巻物なのだ。書家の本物の作品が見たいのか、おとぎの国のドアを開けたいのか、求める物は人によって違う。 我々は「おとぎの国のカギ」がほしいわけで、それがわかるウィットに富んだお客さんが来れば満足度合も上がると思う。 訪問の目的が違えば、評価も正反対に分かれるだろう。「安物だ!」と何でもクソ真面目に受け止めていては人生面白くもない。

夜の海に映る月光が作る月の道を通り、露天風呂から天に昇れるようなシーンが好き。朝日が海上に作るオレンジ色の花道を通って今日という日がやってくるのを見るのが好き。これからも、この楽しみは続けて行きたいと思う。

また来たい度:★★★★★(5★満点)

オススメ:カップル、ご夫婦、お忍び、静けさが好みの方 / ワイワイ騒ぎたい方向きません

インターネット:環境なし  /   携帯電話:docomoアンテナ5本  auアンテナ5本

温泉:源泉から引いていませんが、温泉を運んで来て加水加温循環式カルキ使用です。お風呂後の肌のシットリ感は劣ります。温泉水自体にこだわる人には向きません。しかし露天の絶景は命の洗濯ジャブジャブできます。