箱根町宮ノ下 箱根吟遊

2014年11月15日〜2014年11月16日

紅葉の箱根と聞くと、なんとなく特別感がある。山の斜面に張り付くように建てられた箱根吟遊は景観が素晴らしく、赤や黄に染まった箱根の山を存分に独り占め出来る立地だ。ここの予約は丁度一年前からスタートするが、気合いを入れて、朝、電話にかじりつかない事には予約は取れない。紅葉の季節の週末ともなれば尚更で「日本一予約がとりにくい宿」だそうだ。

2002年に、それまでの古いスタイルの「武蔵野本館」が若旦那によって「箱根吟遊」として再スタート、あっと言う間に人気宿になった。若旦那は旅館業を継ぐ気がなくサラリーマンだったそうだ。それがバリ島のリゾートホテルで「美しい自然の中で濃い時間がユックリ流れ、ロウソクだけの薄暗い空間が不思議な魅力だった」事にインスピレーションを受け、その継ぐ気のなかった旅館業を一念発起で継ぐ事にしたそうだ。

館内は、ドップリとバリ島だが、バリに限らず、広く東南アジア圏や、遠くエジプトのデザインかと思われる小物など、「不思議ちゃん」な物で溢れている。統一感のない小物がゴチャゴチャと多く置かれているのだが、なぜかゴチャゴチャ感がなく、怪しい雰囲気が魅力にもなっている。エキゾチックオンリーかと思いきや、中居さんは着物で館内廊下は畳という和風。しかし、それらがトンチンカンではなく、うまく融け合っているから、益々不思議な異空間だ。若旦那曰く「ハッとするような発見、小さな感動が沢山ある提案型のサービス」を目指したとのこと、確かにその通りだ。

元々の立地が、紅葉美しい箱根の山を一望する山の斜面に建っているため、その眺望の素晴らしさを最大限に生かし、 自然を五感で感じるため、客室やラウンジは、渓谷にせり出すように設計されている。各部屋の風呂は、あえてガラスを施さず露天にし、自然を取り込むようにしたという。寒風が吹く時期に露天風呂の脇で体を洗うのはシンドイ。そういう向きには男女別の大浴場もある。大浴場の洗い場は室内なので寒くはない。 赤や黄色に色づいた幻想的な山を前に、バリのガムランが流れ、アジアンモダンの家具調度に囲まれ、非日常に首まで浸れるわけだ。

旅は、この宿のトレードマークにもなっている美しいフォルムの椅子二脚がモデルのように立っている素晴らしいロビーから始まる。新緑の季節もいいが、紅葉シーズンも一見の価値あり。到着し、ラウンジで手の込んだドリンクを頂き、お部屋へ。

その後は、お風呂に入ってグダグダとするべし。お風呂の後、バーに行けば、風呂あがり生ビールのサービスがある。ちょっとした事だが、コレが最高に嬉しい。

食事は部屋食になる。今回気になったのは、料理の食材クオリティが今までに比べかなり貧弱になった事だ。 料理の品書きに昨年までの料理長の名前はなく、料理顧問という肩書の人の名があり、料理長が不在なのだろうかと思わせる料理内容だった。 スタッフの数も減り、一人に課される担当範囲が増えているのか、すべての客に迅速に手が届かないという印象を受けた。確かに、燃料光熱費は上がり、食材費は上がり、前より安価になった物など何もない今、同じようにやっていたのでは経営は辛いとは思うが、その辛さを客に感じ取らせてはならないと思う。料理は旅館の柱の大切な一本。今後、以前のような料理内容に復活する事を祈っている。

今回は第一希望の部屋が空いていなかった為「星宿」というメゾネット部屋に泊まった。寝室は下階、ダイニングは上階と階段で昇り降りがある為、登ったり降りたりする場面が多く、使いづらさは否めなかった。各部屋サイズもデザインも違う為、次は違う部屋を選びたいと思う。

再開10年を超え、今回は、気になる点が多かったものの、きっと起死回生を図れるのではないかと期待している。

また来たい度:★★★(5★満点)

インターネット:室内無線LAN可(2013までは環境なしだった)PC持参、パスワードはフロントで

携帯電話:docomoアンテナ1〜4本  auアンテナ3本 /  e-mobile アンテナ2本   ※階下に行くほどアンテナ数が減少する。