京都市 大悲山 美山荘

2015年05月07日〜2015年05月08日

「京都市内」と言うには、あまりに京都のイメージから、かけ離れている花背という山の中にある。京都駅からは、冬場の雪道で2時間、雪がない時期ならば1時間半くらいかかる。

昨年伺い、すっかりハマってしまった「美山荘」。

山深い緑の周囲は、春にはさぞかし美しかろうと思い、新緑のタイミングを女将さんに伺うと、ゴールデンウィーク直後と薦められ、今回の予約となった。

冬は通らない方が無難と言われた道は、雪がなくなれば最短の道になる。貴船神社から鞍馬寺を横目に見て、ひたすら進めば、車一台がやっとという道幅が時々現れる。こんな道幅でもバスが通っていたりするので、カーブで出くわせば、どちらかがバックでやり過ごしつつ奥へ奥へと進む

建物は、母家のある「山の棟」と宿泊部屋のある「川の棟」の二手にわかれている。色が押さえられ、物静かで深い空気が漂う。部屋は「岩つつじ」という二間を備えた美山荘で一番窓巾がある広い部屋をお願いしていた。シンプルで上品。 決して華美でも贅沢でもないのだが、大人の空間に相応しい部屋だった。一枚ガラスの大きな窓が川に向き、川にせり出して川床スタイルの涼がとれる場所となっている。その一枚ガラスは、まるで何もないが如く磨かれており、曇り一つない為、間違っておでこをぶつけてしまいそうだ。岩つつじの部屋は、美山荘の中ではシンプルな造りの部屋だそうだ。デザインは俵屋旅館と同じ建築家と聞く、要所要所に共通のデザインがあり、建築が好きな人は楽しんで眺められると思う。二間ある為、清流に面した窓数が多く、とても明るい。今日のように晴天に恵まれ、新緑がこれでもかというほどの量感がある日は、この部屋は特に映え、大変気に入った。

お抹茶と、よもぎ餅を頂くと、だんだんユルリとした気分になってくる。部屋には音の出るもの、テレビなど何もない。音は川の流れのみ。現代人の必需品「携帯」を見ると・・・docomoはアンテナがしっかりしているものの、auは全滅。宿の無線LANは、まるで月から飛んできた電波を受け取るほどに「かすか」だ。それが美山荘に来る意義の一つでもあるのだろう。ここに来るには、自然と向き合い何もしない。したとしても、好きな本でも読むのが一番なのだろう。

貸し切りになる川沿いのお風呂は、利用に制限時間はなく、のびのびと利用させていただいた後、係の女性が冷たいすもも酒を持って部屋を訪れる。夕食の時間などの確認だ。本日は母家で18時半とのこと。カウンター席だ。料理のお皿は、いずれも山の宝物がいっぱい詰まった大人の味満載の数々。量も調度よい、お腹イッパイなのだが、そのイッパイさが、苦しすぎる嫌なイッパイではないのだ。ここの料理の本当の良さは、若い人にはわからないだろうなぁと思ってしまう。

静かで洗練された「もてなし」を受け、季節が散りばめられた上品な料理を頂き、川の流れの音の中でグッスリ。素敵な京都の奥座敷でのお籠り。京都の観光などには目もくれず、美山荘に来るだけが目的で京都に降り立っても、なんら惜しくない、そんなお宿です。

また来たい度:★★★★★(5★満点)

インターネット:無線LAN可、利用無料。PC持参。電波の状態は部屋によって違うようだ。岩つつじの部屋は一番奥のシャクナゲの部屋より電波状態がよかった。

携帯電話:docomo アンテナ5本 テザリング良好、 au 圏外