京都市 大悲山 美山荘

2015年07月07日〜2015年07月28日

昨年伺い、すっかりハマってしまった「美山荘」。

これまで深雪のジビエの頃、松茸の秋、新緑が目に染みる春に訪れ、本当に大人の楽しみが増えた。こうなったら、四季折々の美山荘を味わいたいと思い、唯一まだ伺っていない、夏の鮎の頃に予約をお願いした。しかし、そう思うように予約は取れず、鮎も食べられる蛍も舞うという、格好の数週間は普通の日であっても満室で、どうにかこうにか入れて頂いた予約が本日となった。蛍は舞い終わってしまった為、美山の鮎を楽しみに伺った。

冬は通らない方が無難と言われた道は、雪がなくなれば最短の道になる。貴船神社から鞍馬寺を横目に見て、ひたすら進めば、車一台がやっとという道幅が時々現れる。こんな道幅でもバスや大型トラックが通っていたりするので、カーブで出くわせば、どちらかがバックでやり過ごしつつ奥へ奥へと進む。

建物は、母家のある「山の棟」と宿泊部屋のある「川の棟」の二手にわかれている。色が押さえられ、物静かで深い空気が漂う。部屋は「石楠花」という一番奥まった部屋をお願いしていた。8畳の和室に2帖ほどの板の間。            小振りでシンプルで上品。 決して華美でも贅沢でもないのだが、大人の空間に相応しい部屋だった。一枚ガラスの大きな窓が川に向き、「お月見台」と呼ばれる、川にせり出して川床スタイルの涼がとれるテラスがついている。その一枚ガラスは、まるで何もないが如く磨かれており、曇り一つない為、間違っておでこをぶつけてしまいそうだ。石楠花の部屋は、美山荘の中では意匠を凝らした部屋だそうだ。デザインは俵屋旅館と同じ建築家と聞く、要所要所に共通のデザインがあり、建築が好きな人は楽しんで眺められると思う。

お抹茶と、よもぎ餅を頂くと、だんだんユルリとした気分になってくる。部屋には音の出るもの、テレビなど何もない。音は川の流れのみ。現代人の必需品「携帯」を見ると・・・docomoはアンテナがしっかりしているものの、auは全滅。宿の無線LANは、まるで月から飛んできた電波を受け取るほどに「かすか」だ。それが美山荘に来る意義の一つでもあるのだろう。ここに来るには、自然と向き合い何もしない。したとしても、好きな本でも読むのが一番なのだろう。

貸し切りになる川沿いのお風呂は、利用に制限時間はなく、のびのびと利用させていただいた後、係の女性が冷たいすもも酒を持って部屋を訪れる。夕食の時間などの確認だ。本日は母家で18時半とのこと。お座敷席にテーブルを設えてもらった。料理のお皿は、いずれも山の宝物がいっぱい詰まった大人の味満載の数々。量も調度よい、お腹イッパイなのだが、そのイッパイさが、苦しすぎる嫌なイッパイではないのだ。ここの料理の本当の良さは、若い人にはわからないだろうなぁと思ってしまう。

静かで洗練された「もてなし」を受け、季節が散りばめられた上品な料理を頂き、川の流れの音の中でグッスリ。素敵な京都の奥座敷でのお籠り。京都の観光などには目もくれず、美山荘に来るだけが目的で京都に降り立っても、なんら惜しくない、そんなお宿です。

また来たい度:★★★★★(5★満点)

インターネット:無線LAN可、利用無料。PC持参。ただし一番奥の石楠花の部屋の電波状態は低く、ほとんどつながらない。 電波の状態は部屋によって違うようだ。

携帯電話:docomo アンテナ5本 テザリング良好、 au 圏外