長野県 大鹿村 旅舎 右馬允

2015年09月29日〜2015年09月30日

昨年秋に続き3度目の「旅舎 右馬允(うまのじょう)」もちろん、お目当ては南信州の松茸三昧  !!

中央道の松川インターを下り、細い国道を40~50分奥へ奥へ走れば大鹿村。この道中は、細い国道とは言え7割がた上下の車線がちゃんとある。舗装もされている。落石注意のカ所とカーブと車一台分の巾しかないトンネルもやたら多いが、心配するほどではない。但し、地元車は40キロ制限の道を80キロ以上で走っている為、こういう地元の人に後ろに付かれて煽られたり追い越されたり、あるいはすれ違ったりの時の方が緊張する。カーブでいきなり高速の対向車に出くわすわけだ。地元車はカーブでスピードを緩めるような事はしない。だから宿までは道路状態より地元車にご注意を。そして日没後は、真に暗いカーブ道。右馬允の正確な位置はナビでは掴めない為、村にある1〜2カ所の看板が頼り。真っ暗なカーブ道を避け、宿の看板が見える明るさのうちには到着したい。

宿までの道のりに苦はないが、村周辺の、絶景ポイントに車で行くには、それなりに気合いが必要。細く未舗装の車一台分の道をウネウネと標高2000メートル近くまで登ることになり、対向車が来たらアウトのカ所の連続だ。標高2000メートルでもブイブイ走る山慣れした車に要注意。彼らには谷側優先、上り優先などという教習所の交通ルールは通じない。しんどい山道だが、頑張って登れば、南アルプスの息を飲むような景観を独り占めできるスポットが点在していて、お薦めだ。

お宿は、前島さんご一家の、お祖母ちゃん、ご主人・奥さん・そして3人のお子さんの3代が切り盛りされている。なんとも仲の良いご家族からは、大鹿村をこよなく愛しているオーラが、よく伝わって来る。その雰囲気は「旅館に宿泊」ではなく「民宿かユース」あるいは「伯父さん叔母さんちに訪問、従兄弟にも会ってきたよ」いうイメージに近い。

宿泊は一階に一組、二階に一組の合計二組のみ。お風呂・トイレは部屋にはなく共同という仕組み。

松茸はご存知の通り、100%天然である為、どれほどの収穫がどの時期から始まるか、事前には読めないし毎年違う。一般的には9月下旬から10月半ばまでだ。息子さんが熊よけの愛犬と共に山に入り採って来る。今年は丁度よいタイミングに当たった。

この地物の松茸をふんだんに使った料理は、東京の高級料理屋でチマチマっと出てきて驚きの値段というのと訳が違い、これでもかと言うほど豪快に食せるのが魅力。その松茸様が、代々伝わる貴重な古い皿に盛られ、皿にも料理にも心が嬉しくなる。松茸を惜しげも無く口いっぱいに頬張る! 特に松茸と信州プレミア牛を使ったすき焼きは絶品で、信州の水と空気で育った食材はどれも高品質だ。地酒も美味い!満腹でも苦しくないのは、自然のエネルギー満載の山の幸を頂いているからだろうか。ちなみに、ここ大鹿村は、日本最大級の断層系である中央構造線が走っており、磁石の針が働かない不思議な磁場が「パワースポット」として脚光を浴びている。そこでとれる野菜達はパワーがイッパイと言われている。関東から九州まで横に走るこの構造線は、南信州では地表に露出しているカ所があり、2つのプレートがぶつかり合う色の違う岩肌は、地質学に興味がある人にはたまらない場所と思う。小さい村ながらも、溢れる花々、南アルプスの景観や登山、食べ物、そして地質、隕石衝突のクレーター、満天の星の観測地。なによりも230年続く村人が演じる地芝居の大鹿歌舞伎を始めとした村固有の文化。小粒でピリリとする大鹿村には魅力がいっぱいだ。その村に38代続く前島家は蔵がいくつも残る事から見ても、村の名士だったに違いない。前島家の古文書は、名古屋や長野の大学が研究素材として使い、その後博物館に収められている。大鹿村と前島さんちは奥が深いのだ!

さて「旅館」ではなく「民宿か親戚の家」に近いと書いたが、理由のひとつは、身の回りのアメニティ系は全部持参して来る事をお薦めしたいからだ。右馬允にあるアメニティは歯ブラシだけだ。部屋にある備品はバスタオル・小タオル・浴衣・丹前・ティッシュ、これだけ。風呂には固形石鹸とリンスインシャンプーのみ。脱衣室にドライヤー1台。これで全て。男性には十分かもしれないが、女性には不足が多すぎる。ふたつ目は 施設面。風呂とトイレは1階の客と2階の客の共同で一箇所のみ。どちらも清潔ではあるが、数がなく他人様と共有というのは時に辛い。夜中にトイレに起きる年齢になると、暗さの中、距離があるのは神経を使う。3つ目は2組の宿泊客の間の配慮を宿側がする気がない事だ。たとえば風呂をどちらかの部屋の客が長々と使っていれば、他の部屋の客はずっと待つ。夕食前や朝はかち合う事が多いが、宿側が客同士の公平さを配慮する気配はなく、モラルに依存するスタイルだ。同宿する人が物静かでモラル高き人達である事を祈るしかないというのは不安材料だ。また情報はこちらから聞かない限り、宿は極めて控えめ。この「必要最小限」というところが、「民宿」か「たまにしか行かない親戚の家」の様相。しかしハナからそう思って伺えばいいわけで、その方が満足度はグンと上がる。

また来たい度:★★★★★

インターネット:不可   携帯電話:docomoアンテナ5本 テザリング良好 / au アンテナ3本 /  e-mobile 圏外

タイヤ:冬季12月終〜3月くらいは道路凍結、要スタッドレス、初雪は1月初め頃が平均