沖縄北部の古宇利島にあるhana cafe &hana stayには、訳あって毎年通っていた。訳というのは、こちらのオーナーご夫妻の一生懸命さを応援したいがため。

古宇利島の開発が進んでも、島の西の端っこにある、& hana stay は、今までと変わりなく、緩やかな空気が流れている。

その絶景を望むロケーションは、水平線と太陽を独り占め。お宿2部屋は、海に向かい白と地中海ブルーの二色使いが愛らしい。ミコノス島をイメージしたというデザインは、奥様の数年来のイメージが凝縮されており、その思いが強く感じられる。素晴らしく、また時として厳しい自然を一身に受け止める絶景のロケーションもすごいが、私は一番の魅力は、この島に移住を決めたオーナーご夫妻のお人柄であると感じている。真面目で心根が真っ直ぐで、こんなに一生懸命な人と接するのは、そうあることではなく、お話をしていると、我が身を見返す機会ともなり、すばらしい海の色や夕日を眺めるのと同じくらい、気持ちがほぐれる気がする。オープンして6回目の夏、一心不乱だったお二人が、時間と共に気持ちにもゆとりが出たようで、お顔にも余裕と自信が感じられるようになった。お宿のお仕事はお仕事として、これからはご自分らも沖縄の生活を楽しんでいって欲しいと思っていた。

しかし夢を形にして7年目、お二人に決断の時が訪れたという知らせを頂いた。信州に一人残して来た親御さんの事を思い、信州に戻られる決心をされたとのこと。薄々いつかは来るかもしれないと思っていた時ではあったが、残念と思いつつも、新たな出発を祝うべく、今回、最後の訪問をした。

お宿は小さく愛らしい。レジャー施設が揃っているわけでもない。でも、お部屋に入り、クーラーをオンにして、ゆっくりお風呂に入り、冷たい物を飲む。窓の外には少しづつ色を変える空と海。今日の夕日はどんなだろうと思いつつ、オレンジ色の夕日が海に沈みゆくのを眺め、暗闇に母屋の灯が浮かび上がるころ、タラタラとご飯を食べに出る・・・。そんなスローでロハスな、hana stayでの滞在は我々にとって今回が最後となるだろう。

ゆったりスローで、海の色、空の色、緑の木々をゆらす風、島の猫、テラコッタの屋根、オレンジの雫のような夕日、冷たく光る下弦の月・・・何もない、でも何もないのが一番贅沢。そんな価値がわかる方が好む場所だった。

このhana stayは、古宇利島に数軒の宿を経営しているoneSuiteが買い取り、10月より新たなオーナーで運営されるそうだ。 

レンタカーナンバーの車ばかりが走る古宇利島となってしまった今、以前はサトウキビ畑をかき分けて探した「幻」と言われたビーチは、もう幻でもなんでもなく、車で真ん前までアクセスできる。ゴミが目立つようになって、ハートロック脇のパーラーの駐車場はなんと有料・・・ヒッソリとしていた島だったのに「売土地」と書かれた看板が、刈られたさとうきび畑に沢山立っている。なんとも悲しい心境だ。土地の人には開発は必要だとは思うが、開発が進めば進むほど、古宇利島の価値が失われてゆく事に気がついてくれないもどかしさ。ヒッソリと静かで秘密めいた古宇利島であり続けてほしかった。

まだまだ、ひっそりとしていた魅力のあった時代に古宇利島とhana stayを知ることができて本当にラッキーでした。

さようなら、hana stay。 信州での第二のスタートを心待ちにしています。

沖縄 hana cafe & Hana Stay

2016年09月08日〜2016年09月09日