京都市 大悲山 美山荘

2016年01月20日〜2016年01月21日

すっかりハマってしまった「美山荘」。四季折々に大人の楽しみが増えた。

明るく晴れて雪の気配もない京都駅から2時間も北上すると、周りの景色は一変し、大悲山の麓の美山荘は深い雪の中だ。初めてここを訪れたのも真冬で、女将さんからは「絶対にスタッドレスで来てください」と念押しされた事を思い出す。京都駅をレンタカーで出発する時は、スタッドレスなんて燃費が悪いだけで、鬱陶しく感じるのだが、北に上るにつれ、道路は除雪も追いつかない積雪で、立ち往生している車を横目に、スタッドレスタイヤに感謝感謝。雪がない時期ならば貴船神社から鞍馬寺を通り花脊峠を越えるのだが、女将さんからのアドバイスで、冬は周山街道(国道162号線)のルートを走る。細い山道の峠をいくつも越えるよりも、冬場の一番安全なルートになる。

建物は、母家のある「山の棟」と宿泊部屋のある「川の棟」の二手にわかれている。色が押さえられ、物静かで深い空気が漂う。今回の部屋は「岩つつじ」という広めのお部屋ををお願いしていた。ガラス窓の間口がとても広く清々しい。その窓が川に向き「お月見台」と呼ばれる、川にせり出して川床スタイルのテラスがついているのは、どの部屋も同じ。そのガラスは、まるで何もないが如く磨かれており、曇り一つない為、間違っておでこをぶつけてしまいそうだ。デザインは俵屋旅館と同じ建築家と聞く、要所要所に共通のデザインがあり、建築が好きな人は楽しんで眺められると思う。

お抹茶と、とち餅を頂くと、だんだんユルリとした気分になってくる。部屋には音の出るもの、テレビなど何もない。音は川の流れのみのはずだが、冬場はその川の流れさえも雪に吸収されてしまったかのように無音になる。

しんしんと降り積もる雪はすべての音を吸収してしまうようで、一面の純白、そして静寂になる。訪問は今回で6回目になるので、音がない事には慣れた。ただ常に情報を得られる環境にいる毎日ゆえ、携帯やネット環境が不安定の場所にいる事に落ち着かない気分になる事は確かだ。しかし美山荘に来るからには、それも、できるだけ忘れて、好きな本でも読んでいる事が最良の過ごし方なのだろう。

冬場に来るお客さんは、雪景色を楽しみに来られるそうだが、なんと我々が来る前日までは,まったく雪が降っておらず、ただの冬枯れの景色だったそうな。皆さん残念がって帰られたとか。我々が宿泊する前夜から、ドカ雪に変わり、あっという間に50センチくらは積もってしまったらしい。雪景色を見たいと予約していた他のお客さん方は、このドカ雪でキャンセルされたとの事、なんと今回の宿泊客は我々だけになってしまい全館貸切状態となった。

それゆえ、いつもは数組のお客さんで順番に使う川沿いのお風呂は独占状態。本当にのんびりと使わせて頂いた。

雪が深い為、今回の食事は母屋には行かず、宿泊の「岩つつじ」の部屋の隣りの「山椒」という部屋で頂いた。

料理のお皿は、いずれもお山の宝物がいっぱい詰まった大人の味満載の数々。量も調度よい、お腹イッパイなのだが、そのイッパイさが、苦しすぎる嫌なイッパイではないのだ。ここの料理の本当の良さは、若い人にはわからないだろうなぁと思ってしまう。冬のお料理は勿論ジビエ。お山からの贈り物。鹿肉、猪肉、そして熊鍋。通常はお肉を出さない美山荘も、冬だけは、このお山の贈り物がテーブルに並ぶ。

静かで洗練された「もてなし」を受け、季節が散りばめられた上品な料理を頂き、音のない静寂の中でグッスリ。素敵な京都の奥座敷でのお籠り。京都の観光などには目もくれず、美山荘に来るだけが目的で京都に降り立っても、なんら惜しくない、そんなお宿です。

また来たい度:★★★★★(5★満点)

インターネット:無線LAN可、利用無料。PC持参。ただし一番奥の石楠花の部屋の電波状態は低く、ほとんどつながらない。 電波の状態は部屋によって違うようだ。岩つつじ、山椒の部屋での無線LANはまずまず。

携帯電話:docomo アンテナ5本 テザリング良好、 au 圏外