長野県 月川温泉郷 月川

2017年05月01日〜2017年05月02日

毎年4月の半ばを過ぎるとソワソワし始める。日に何度もこの月川周辺の桜や花桃の咲き具合をWebでチェックする。

年によって咲き具合は大幅に前後するため、旅館月川の予約と花桃満開と好天の三拍子が揃うのは全くの運。

昨年は4月22日には満開だった花桃は、今年は寒さで開花の便りはずっとなく固く小さい蕾のまま。「早く咲いてくれ〜」とネットの蕾の写真に向って祈っていた。

4月28日にようやく、ポツンと一粒くらいが開花し、その写真に大喜びした。すぐに咲き進むかと思いきや、その後も寒さで開花速度は上がらず、ゴールデンウィークに入っても満開宣言はお預けのままだった。

予約をした5月でさえも、月川の夜はとても冷え込み、我々は夜寝る時にヒーターをつけたくらい。早朝の気温は3度くらいで白く霜が降りていた。

「今年は蕾での花見かなぁ」と半ば諦めムードで向った月川だったが、到着してみると、日当たりのよい箇所は5分から8分程に咲き進んでおり、素晴らしいお花見になった。どうやら、我々が家を出発してから着くまでの間に随分と花が開いてくれたようだ。加えて近距離にある「駒つなぎの桜」という桜の老巨木は満開のタイミングを迎え、今年も息を呑むほどの威厳ある風格を楽しむ事ができた。駒つなぎの桜は、その花よりも堂々の枝ぶりと霊験を肌で感じられる空気が気に入っている。

小さな旅館「月川」は、南信州阿智村(あちむら)の月川(つきかわ)温泉郷にある。飾り気のないサッパリとした素朴が気に入って、通い始めて随分たった。特に春の花桃の季節には必ず訪れたい。お気に入りの宿で「我が家の春の行事」となっている。

青い空、ピンクと白の花桃、新緑の山々、泳ぐ鯉のぼり。これこそが月川に来たかいがあるというシーンを今年も観ることができた。本当に有難いことだ。

長野県内とはいえ、岐阜県ギリギリ。関東圏ナンバーの車はほとんど見かけない。多くは県内か中部圏からの車だ。小さい小さい温泉郷で、見る人が見れば「何もない」山間の集落なのだが、美しい清流と澄んだ空気、抜けるように青い空、春には息を飲む色彩の花桃に囲まれ、これほど素敵な場所はないと思っている。何もないどころか、これほど、何もかも揃った場所はない。清流沿いを朝の空気を吸い込んで散歩する時の清々しさは、他の土地では味わえない。

宿に着いて靴を下駄箱に入れる。鍵を頂き、適当に部屋に通る。部屋にあるお菓子を食べつつお茶を自分でいれる。一息ついたら、泉質が素晴らしい温泉に入りに行く。ヒンヤリとした信州の空気の中、暖かな露天風呂に浸かると、自然と「ほ〜」っと溜息が出る。露天風呂の目の前に花桃が咲き、花びらが湯船に散る。時間になったら大広間で夕食。チャッカマンで自分で鍋に火を着けて、好きなタイミングでご飯を頂く。ご飯をよそるのもお茶を入れるのも自分でやる。なんか、それがとっても気楽でいい。お料理を運んでくれるのは、村のオバちゃんお姐さん達で、旅館のプロ感はなく、ホントに「村のオバちゃん」なのだ。構えるところなく、朴訥に料理をテーブルに並べてくれて、何年たっても不慣れな感じのオバちゃん達は気さくでいい。「月川はこれでいいのだ」。

お料理は、信州牛や川魚、山菜などの地元食材を生かしたもの。派手ではないか、これがなかなかイケる。南信州は、環境省認定の日本一の星空を誇るのだそうだ。月川から車で5分ほどの、ヘブンスそのはらというスキー場は、季節によって星空を見るための夜中のゴンドラ運行、または早朝の雲海を見るための超早朝ゴンドラ運行を行っており、阿智村は派手さはなくとも地道に集客努力をしている事がわかる。ちなみに月川のご主人は、政治や経済にも鋭い感覚を持たれている方とお見受けする。彼のブログを時々拝見するが、そのキッパリとした言い口には優れたグローバルさを感じる時がある。それ故、応援の気持ちが湧いてくる。

いつまでも、この自然がそのままで、この月川が暖かいままでいてほしいと思う。

また来たい度:★★★★★(5★が満点)

インターネット:無線LAN完備

ネット使用無料、パスワードあり。PC持参。またはロビーにPC有り、IPadも借りられる。

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